妊娠29週で羊水過多の宣告。大学病院へ入院することに。

妊婦の画像





私は35歳を過ぎてから初めて妊娠しました。

高齢初産婦になるわけですが、幸い妊娠を考え始めてから比較的短期間で妊娠し、悪阻が辛かった以外は経過は順調でした。

しかし、妊娠29週で受けた妊婦健診で、突然大学病院での詳しい検査を勧められました。

そこから約2か月、私の妊婦生活は予想外の連続でした。

こちらで紹介している内容はあくまで私個人の体験談ですが、今同じ症状で不安を抱えていたり、入院生活を送っている妊婦さんの参考になればと思います。

羊水が多い?渡された大学病院への紹介状。

お腹に手を当てた白い服の妊婦の画像


妊娠29週といえば、お腹もふっくらして見た目にも妊婦らしくなってきます。

胎動も感じられるし、個人差はあるものの悪阻も落ち着き、赤ちゃんの存在を感じながら出産を楽しみに比較的穏やかな気持ちで過ごせる頃と思います。

私も悪阻が落ち着き、少しお腹の張りが気になるものの毎日元気に出勤していました。

今までの健診で赤ちゃんは順調に育っていると言われていましたし、毎日元気にお腹を蹴ってくれます。


妊婦健診はエコーで赤ちゃんの元気な姿を目で確認できる唯一の機会です。

今回も「順調ですよ」と言われることを期待し、少しの不安を抱えながらも楽しみに待っていました。


その日も、いつもようにお腹にエコーを当てられると、赤ちゃんが元気に動いているのが見えました。

医師の様子もエコーを当てる長さも、いつもと変わらないように見えました。

ただ、いつもと違って前回測定した腹囲と子宮底の値と今回の値を医師と助産師さんが確認しあっていました。


エコーを終え、椅子に座った時から既に何か良くないことを言われるような予感はしていました。

不安で顔はこわばっていたと思います。とても緊張していました。

医師は先ほどのエコー写真と私の顔を交互に見ながら静かに言いました。



「羊水が通常より多いです」



羊水が多かったり少なかったりすると胎児に異常があるかもしれないという記事をネットで見たことがありました。


その先を1人で聞くのが、とても怖かったです。


医師から告げられたのはこうです。

医師からの説明
  • 前回の健診から腹囲も子宮底も急激に大きくなっている
  • 赤ちゃんの消化器官に異常がある可能性がある
  • エコーでも羊水が通常より多いことが確認できる
  • 紹介状を出すので大学病院で詳しく診てもらうように
  • このまま大学病院へ転院になるかもしれない
  • 異常がないこともある


紹介状を受け取るまでの間、同じく健診を受けに来た妊婦さんや産後の1か月健診を受けに来た赤ちゃんを抱いた産婦さん達と一緒の待合室で待っていました。

涙を堪えながら夫にLINEしました。

ただ「大学病院へ紹介になった」という短い文章だった気がします。

それから紹介状を受け取り、泣きながら運転して帰ったことだけ、覚えています。

大学病院での診察


翌日、さっそく大学病院を受診しました。

どうしても仕事で来られなかった夫に代わり、母が付き添ってくれました。

診察の前に助産師さんが腹囲と子宮底を図り、NST(分娩監視装置)を装着し、子宮の収縮具合や赤ちゃんの状態を調べました。

そこで、かなりお腹の張りが強いことがわかりました。

確かにここ最近、少し動くとお腹が頻繁に張るようになっていました。

しかし、この時期はお腹の張りがあっても休めばすぐに収まるようなら問題ないと本には書いてありました。

私が感じていた張りも、横になって休めば短時間で落ち着くのでこんなものかと思っていましたが、実際はかなり強い張りだったのです。


そして、いよいと医師による診察です。


赤ちゃんの様子がよく見えるように体勢を変えながら、じっくり赤ちゃんの様子を診察してもらいます。

エコーのモニターには、いつものように元気な様子の赤ちゃんが映っています。

「何も異常がありませんように」

そう願いながら、おそらくその確率は低いだろうこともなんとなく感じていました。

十二指腸閉鎖の疑い?


「消化管の異常ですね」

医師は、私が心の準備をする間もなく、あっさりとそう告げました。

私は一瞬で世界が重く遠く感じるような感覚に襲われながら、固く目をつぶりました。


私は元看護師です。

そして、今は色々な子どもに関わる仕事をしているので、先天的な消化器官の異常と聞いていくつかの疾患名が浮かびました。

大きな手術が必要なもの、その後も後遺症が残り生活上の様々な困難を抱えるもの…

そして、先天的な異常がある場合、他の器官にも異常が見つかるかもしれないこと。

重い空気の中で「どうか一番軽度なものであってほしい」と祈りました。



続けて医師からは夫も同席の上で説明したいと言われましたが、その日夫は短期出張中だったため、付き添いの母と一緒に聞きました。

大学病院での説明
  • 羊水が多い原因はおそらく十二指腸閉鎖による通過障害
  • 通常、胎児が羊水を飲んで排泄するが、それが出来ていない
  • 飲み込んだ羊水を排泄できず、胎児の胃が羊水でパンパンになっている
  • 羊水は産生され続けるため、羊水過多になっている
  • そのため、お腹の張りが強く危険(切迫状態)
  • 今すぐにでも入院が必要
  • 出産まで退院できないと思ってほしい
  • 今日は他に異常は見られなかったが、入院してさらに詳しく診察する


医師は私に「最近急にお腹が大きくなったと感じなかった?」と聞きました。

そういえば、ここ数日の間に周りの人たちから「ずいぶん大きくなったね、もう臨月みたいね」と言われていました。

それでも「このくらいの週数から急にお腹が大きくなってくるからね」とも言われてたので気にしていませんでした。

元看護師で子どもと関わる仕事をしていると言っても、妊婦さんの看護経験はほとんどないし、妊娠も初めての経験です。

振り返ってみれば「あれが異常のサインだったのか」とは思っても、その時は全く気づきませんでした。


夫は出張で遠方にいたため、その日のうちに来院することは不可能だったため、翌日の入院にしてもらいました。


入院に必要な書類や持ち物の説明を受け、母と一緒にその足で買い物に行きました。

張りが強く切迫状態のため、入院までは張り止めの内服と安静の指示がでていました。

本来であれば買い物は母にお願いして家で休んでいなければなりません。

ただどうしても自分で買いに行きたいものがありました。


私はまだお腹の赤ちゃんのための物を何も用意していませんでした。

仕事をしていたこともあり、近く連休があるのでその機会に色々揃えようと夫と話していた矢先の入院です。

何かひとつでも、自分で選んで買ってあげたいと思ったのです。

朝からずっと動いていたこと、疲労やストレスで今までにないほどお腹が張るのでお店では長く立っていられませんでした。

手早く肌着数枚と退院時に着せるカバーオール1着だけを選びました。

それから、柔らかいクマのガラガラを買いました。

赤ちゃんへプレゼントする初めてのおもちゃをどうしても買いたいと思いました。


手早く買い物を済ませ、帰宅してソファに横になると涙が次々にあふれてとまらなくなりました。

赤ちゃんの健康と、出産後の生活への不安、初めての入院生活。

不安と悲しみと恐怖で混乱していました。

今振り返ってもこの2日間は本当に辛かったな…



その日、夫が出張先から天候不良で飛行機の便が乱れている中、なんとか遠回りして帰ってきてくれてました。

不安で心細くて泣きながら眠りにつきました。


朝、このまま約2か月は帰ってこれないのか…と思いながらリビングを眺めて、また涙が出ました。

他にも異常が見つかるかもしれない、無事に出産できないかもしれない。

悪い事ばかりが浮かび、これ以上ないほど暗い気持ちで夫と病院へ向かいました。


不安な気持ちでスタートした初めての入院生活。
この続きはまた次回!

妊婦のお腹に手を当てた男女の写真

胎児の十二指腸閉鎖で初めての入院。突きつけられた現実と希望。













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