赤ちゃんは十二指腸閉鎖。羊水過多で苦しい!出産まで耐える日々。

お腹に手を当てる白い服の妊婦さんの写真





お腹の赤ちゃんが十二指腸閉鎖という先天性の消化器疾患があることが判明。

そのため、私のお腹は羊水過多でパンパンになり切迫早産の危険がありました。

前回の羊水除去では300mlしか抜けず、未だ大きすぎるお腹。

張りが強くなり、いつ陣痛が来てもおかしくない状態。

私自身も、大きすぎるお腹を抱えて食事も睡眠も十分とれなくなっていました。

前回までの記事はこちら↓

妊婦の画像

妊娠29週で羊水過多の宣告。大学病院へ入院することに。

妊婦のお腹に手を当てた男女の写真

胎児の十二指腸閉鎖で初めての入院。突きつけられた現実と希望。

妊婦のお腹に手を当ててハートを作る夫婦

2度目の羊水除去はわずか7日後。しかし、結果は残念なものに。

羊水過多で苦しい毎日…でも、出産まで耐える

ピンクの病衣を着た妊婦さんの写真


2度目の羊水を抜いた翌日の夜、腹部の強い張りを数分おきに感じました。

看護師さんに伝えてモニターを装着すると、やはり張りが強く回数も多いため子宮収縮罪の点滴流量がアップされました。

翌朝には腹部の張りは落ち着きましたが、看護師さんによると「陣痛に繋がる可能性がある」と申し送りされていたそうです。

この時、35週。

お腹の赤ちゃんは2500g。

目標の3000gにはまだ足りません。

(出生後手術を受けるので、小児外科の医師からできれば3000g以上欲しいと言われていました)


前回の羊水除去で300mlしか抜けず、その後も羊水が増え続けていたので、お腹は日ごとに苦しくなっていました。

しかし、羊水除去の後で子宮収縮が強くなったため、私は羊水を抜くことが怖くなってしまいました。

苦しくても自分が耐えられさえすれば、お腹で赤ちゃんの体重が十分増えるまで育てられると思うようになっていました。

みずき

今にもはち切れそうなお腹。痛くて苦しいけれど、少しでも良い状態で産んであげたい!

赤ちゃんが入院する予定のNICUの見学へ

生まれたての赤ちゃんの写真


そんな時、NICUの見学をすることになりました。

当初、見学はもう少し先の予定でしたが、私の羊水過多による腹部の張りが強くいつ分娩になってもおかしくない状況から、早めに行うことになったそうです。


赤ちゃんは生まれてすぐにNICUに入院し、全身状態チェックと術前検査をして数日後に手術を受けます。

私も、産後体調をみながらNICUに面会に行くことになります。

NICUでは、入院後の赤ちゃんの面会方法やどのように術後管理されるのか等を説明してもらいました。


NICUでは人工呼吸器をつけた赤ちゃんや大きな保育器に入った小さな小さな赤ちゃん、一見すると健康そうな赤ちゃんもいました。

妊娠が分かったときは、まさか自分がこんな大病院でハイリスク妊婦として入院し、NICUに見学に来ることになるとは考えもしませんでした。

きっと、今入院している妊婦さんや赤ちゃんのご家族はほとんどがそうでしょう。

健康な妊婦さんと自分、健康な赤ちゃんと生まれてすぐ手術が必要なお腹の赤ちゃん。

どこで違ってしまったのか。

受け入れたつもりでいても、どんどん近づいてくる現実を前に時々どうしようもなく不安になりました。



NICUでは、医師や看護師のほか、助産師、ケースワーカーなど色々な職種のスタッフがいました。

産後の母親は個人差はあるものの、メンタルが不安定になりやすく人によっては産後うつの危険もあります。

病気や障害のある赤ちゃんを産んだ母親の心理的ストレスは相当です。

NICUでは、産後の母親の心身の状態を把握してケアにつなげるような体制もとられているようでした。

印象的だったのは、赤ちゃんのことが気になって不安になったら夜中でも電話していいよと言われたことでした。

NICUは付き添い不可なので、夜間赤ちゃんの様子が気になって不安を募らせるお母さんが多いそうです。

そんな時は電話で医師や看護師が現在の赤ちゃんの様子を教えてくれるとのことでした。

私は幸い夜間に電話することなく赤ちゃんの退院を迎えました。

でも、別のお母さんは

「夜中にこのまま亡くなってしまうんじゃないかと不安になって泣きながら電話したら、先生が『お母さん大丈夫。今こういうお薬使ってて、赤ちゃん頑張ってるよ。安定してるからね』って教えてくれて、ほんとうにありがたかった」

と言っていました。

この時のお母さんの気持ちをを思うと私も涙が出てきますし、NICUの対応は本当に素晴らしいですよね。


不安ながらもNICUの入院後のイメージができて安心した一方、ひとつ悲しい情報もありました。

私は、当初産科では赤ちゃんの入院は2週間ほどと聞いていましたが、NICUで同じ病気の子が退院するまでに要する期間は大体1か月ほどということでした。

みずき

新生児期を一緒に過ごすことができないのがとてもショック。

いよいよ出産?…しかし陣痛が来ない


妊娠36週になり、私の出産に向けて産科とNICUでカンファレンスが行われました。

(私は同席しません)

この時、赤ちゃんの体重は推定2600g。

出生後手術を担当する小児科医師からは当初目標3000gと言われていました。

しかし、私の羊水が増えすぎたことによる母体の負担と苦痛が大きいこと、そして現在までの検査で胎児に他の疾患がないことから、このままいつ出産になってもOKという指示が出ました。

産科医師からは普通分娩の予定とし、子宮収縮抑制剤の点滴は週明けに中止すると説明がありました。

出生後、検査で赤ちゃんに新たな問題が見つかる可能性も踏まえて、産科小児科、検査のスタッフがそろっている平日に出産するのが安心という理由です。

いよいよ出産か~!元気に産まれますように!頑張るぞ!


と意気込んだものの、週明け子宮収縮抑制剤の点滴を中止しても陣痛が来る気配はありませんでした。

私としては、正期産となる37週までは頑張りたいと思っていたので、早まらずによかったのですが、羊水でお腹はパンッパンになっていました。


余談ですが、私は最終的に腹囲100cmを超えました。

先生からも「双子ちゃんの臨月くらい」と言われました。

ただ、同室の双子ちゃんママさん達は私ほど苦しそうにしていなかったので、赤ちゃんがお腹に2人いる状態と羊水でパンパンの状態では苦痛の感じ方に違いがあるのかもしれません。

(もちろん赤ちゃんが2人もお腹にいるので、私には分からない別の辛さがあったとは思います)

そんな状態だと妊娠線がすごいことになってるんじゃないの?

と思われそうですが、意外にも全くできませんでした。

これには助産師さんも驚きで、私も不思議でした。

ただ、妊娠線ができない体質だから余計に皮膚が伸ばされて痛いのかも、とは言われました。

私がしていたケアは、乾燥すると痒みが出るので、ドラッグストアで購入したボディクリームで保湿するだけでした。

あまりにお腹が大きかったので、下のほうは見えずちゃんと塗れていなかったかもしれません。

みずき

妊娠線の出来やすさについては個人差が大きいのかもしれませんね。

ついに正期産に突入!一層苦しくなるお腹

臨月の妊婦さんの白黒写真


週明け、予定通り子宮収縮抑制剤の点滴が外されました。

と同時に37週に入り、正期産と呼ばれる時期になりました。

赤ちゃんの体重も順調に増えていたので、いつ陣痛が来てもOKです。


しかし、以前は何度も感じていた張りが弱くなり、今度は陣痛待ちになりました。

廊下を歩いたり足踏みをしたりしていましたが、一向に陣痛が来る気配はありません。

羊水はその間も増えていくので、横になっても皮膚が引きつれて痛く、寝返りも苦痛です。

身の置きどころがなく、背中も痛い。

精神的に追い込まれていくのを感じました。


お腹の赤ちゃんに

「少しでも長くお腹にいてって言ったけど、もう出てきていいよ!安心して生まれておいで~!」

と呼びかけてみたりもしました。


そのまま38週に入り、少量の出血が見られました。

おしるしかと思われましたが、診察では子宮口は開いておらず、まだ時間がかかりそうとのことでした。

その時のエコーで羊水が先生の予想を超えて増えていたため、このままでは母体が限界と判断されました。

急遽、夫が呼ばれ夫婦で説明を受けました。

そして、4つの選択肢を与えられました。

医師から与えられた選択肢
  • 羊水除去し、陣痛が来るのを待つ
  • 羊水を除去したのち、誘発
  • このまま経過観察
  • すぐに帝王切開


先生には、十分頑張ったからすぐに帝王切開で産むのもアリだよと言われました。

また、羊水過多で子宮壁が伸び切っているので、収縮する力が弱く誘発をかけても陣痛に繋がらず痛い思いをした挙句、帝王切開になる可能性も高いとのことでした。

でも、普通分娩できる可能性があるのにお腹を切るのはやだなぁという思いがあり、まずは羊水を除去して陣痛が来るのを待つことにしました。

リミットを設け、それまでに陣痛が来なければ帝王切開で出産することに決めました。

3度目の羊水除去。陣痛は来るのか?

親指を立てる医師の写真


1回目は1800ml、2回目は300ml抜いた羊水。

今回は3度目になります。

あまりない処置とのことで、見学に来た若い医師や医学生が狭い部屋にずらっと並ぶ中、羊水除去が始まりました。

今回は2回目の羊水除去をしてくださった先生が

「前回あまり抜けなくて申し訳なかったから今回は自分が最初から最後までつきっきりでやる」

と言ってくれました。

先生が申し訳ないと感じる必要は全くないのですが、とてもありがたく心強かったです。


そして、細かく針先の角度を微調整しながら、1500ml抜いてもらいました。

体重は1.9Kg減り、まだお腹はパツパツなものの皮膚が伸びる痛みや大きなお腹を支えていたため起きた背筋痛はだいぶ軽減しました。

みずき

数日ぶりに安眠できたよー!


羊水を抜いている間、先生から色々聞くことができました。

まず、お腹の赤ちゃんの十二指腸閉鎖は母体側の問題ではないということ。

遺伝性でもないので、次回妊娠したとしても同様の問題が起こるわけではないということでした。

これは、当初から説明を受けてはいました。

しかし、どうしても自分に責任を感じてしまっていたので、何度でも説明してくれたのだと思います。

もうひとつ、十二指腸閉鎖の赤ちゃんが稀ではあるけれど、自分が吐き出した胆汁でへその緒が溶けて死産するケースがあるということを教えてもらいました。

エコーでは毎回その危険がないか慎重に診ていたけれど、そういう事態にならずここまで元気に育ってくれて嬉しいと言ってもらえました。

これはその危険を脱したこの時だったから教えてくれたのかもしれません。


そして、最後に先生がかけてくれた言葉が忘れられません。

「この子は運の強い子だね」


生まれつき病気があって、死産の危険もあって、生まれてすぐ手術することが決まっていて…

私はずっと

「なぜよりによってこの子が?」

と思っていました。運が悪いと。

でも、先生に「運の強い子」と言われて急に目の前が明るくなった気がしました。


そうだ、こんなに苦しくても大変でも、お腹で元気に育ってくれた。

事前に分かっているからすぐに手術を受けることもできる。

あぁ、なんてラッキーな子だろう。

そう思うと、力が湧いてくるようでした。

この言葉は今も私を励ましてくれています。

みずき

あとは自然に陣痛が来てくれるといいなぁ。


という願いもむなしく、週が明け39週になっても陣痛は来ませんでした…。

というわけで、次回はいよいよ帝王切開での出産になります!

みずき

赤ちゃんが元気に産まれてくれますように!




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