妊娠悪阻の症状は様々。マイナートラブルって何?

お腹に手を当てる妊婦の白黒写真






悪阻と聞いて誰でもすぐに思い浮かぶのはやはり吐き気や嘔吐でしょうか。

ドラマなどでも妊娠発覚のきっかけが急にこみ上げる吐き気だったりしますよね。


実際には、全くつわりを感じずに元気に過ごせる方や、吐きすぎて脱水になり入院が必要になる方まで症状の出方は様々です。

そして、妊娠中のつわりは吐き気だけでなく、症状は多岐にわたります。


私は第一子、第二子ともに吐き気以外の症状でかなり苦しみました。

この記事はこの時の体験についてまとめています。

妊娠中のマイナートラブル


妊娠中に起こる身体の不調や不快な症状のうち、治療が必要ない症状はマイナートラブルと呼ばれます。

「妊娠 マイナートラブル」で検索すると実にたくさんの症状が出てきます。

マイナートラブル

腰痛、むくみ、動悸息切れ、不眠、頻尿、こむらがえり、頭痛、便秘、痔、胸やけ…など


どれも一般的に妊娠と結び付けて表現されることがない症状なので、イメージしにくいかもしれません。

しかも、これらの症状は妊娠したからといって誰もが経験するものではありません。

ひどく悩まされる人もいれば、ほとんど経験しないまま出産を迎える妊婦さんもいます。

相手が妊娠経験者であっても、理解を得るのが難しいことがあるのです。

安定期から本格的に始まったマイナートラブル


安定期に入ると落ち着き元気に仕事や出産準備ができ、楽しいマタニティライフが送れるというイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?

赤ちゃんグッズをそろえたり、部屋を整えたり。
幸せに満ちたイメージだった!



しかし、私の場合は全く違いました。

確かに安定期に入った頃には吐き気は落ち着きました。

でも、本当に辛い時期はここからだったのです。

第一子妊娠中のひどい頭痛


第一子妊娠中はとにかく頭痛に悩まされました。

もともと片頭痛もちで、時々鎮痛剤を飲んではいました。

その頭痛が毎日、朝頭痛で目が覚め吐き気がするほどひどかったのです。


産婦人科で相談し、妊娠中でも内服できるカロナールと漢方を処方されましたが、効果はありませんでした。

妊娠中に脳出血を起こした妊婦さんもいるため、脳神経内科を紹介すると言われ受診しましたが、検査の結果は異常なし。

やはり妊娠による影響で片頭痛が悪化してるとの診断でした。


私の片頭痛に効く内服薬は妊娠中の安全性が証明されていないため、ストレスを溜めず安静にすることしかないとのことでした。

この頭痛は妊娠後期に入る直前まで続き、一週間の中で多少の家事ができるのは1~2日ほど。

ひどい日はトイレ以外は立つこともできませんでした。

第二子妊娠中の動悸息切れ


上の子が1歳を過ぎ、二人目を授かりました。

同じ妊婦さんでも妊娠の度に悪阻の度合いも妊娠の経過も違うもの。

「今度は頭痛が起きなければいいな~次は大丈夫な気がする!」とわりと楽観的だった私。

しかし、今度襲ってきたのは頭痛ではなくひどい息切れと動悸でした。


お腹が大きくなると、息苦しくなったり少し動いただけで動悸がするのはよくあることです。

私の場合は、まだお腹が全く大きくなっていない妊娠初期から、立っているのが辛いほどの動悸と息切れがありました。

甲状腺機能も問題なく、循環器紹介にもなりましたが今回も異常なし。

やはり妊娠による影響との診断でした。


息苦しさで朝まで眠れない日もありましたし、脳貧血を起こし冷や汗をかき真っ青になって倒れる寸前になったことも。

結局、第一子に引き続き安静の日々…。


第二子妊娠中は切迫で出血もあったため、初期から出産まで仕事を休まざるを得ない状況になってしまいました。

一番辛いのは周囲の無理解だった

ベッドの上でうずくまる女性の写真


第一子妊娠中も第二子妊娠中も、私は働いていました。

職場はワーキングマザーも多く、皆私の体調を気遣ってくれました。

しかし、妊娠による頭痛や動悸息切れで出勤できないという状況は、なかなか理解してもらうのは難しかったように思います。

診断書を提出して休職していましたが、

「もともと片頭痛もちでしょ?妊娠と関係あるの?」
「動悸?貧血なんじゃないの。鉄分とらなきゃ」
「もっと大きい病院で診てもらえば?」

という言葉をかけられることも。


「甘えと思われているのかな」
「やっぱり迷惑だよね、人手不足なのに申し訳ない」
「復帰するにしてもどんな顔して出勤すればいいんだろう」


体調が辛く家にこもりきりの日々。

気分転換に本や映画を見ようにも、目を酷使すると頭痛が悪化するし、息が苦しく集中できません。

そんな心身共に辛い状況で、私の精神状態はどんどん不安定になっていきました。

職場にも家族にも迷惑をかけてるし、体調は悪いし、本当にどん底の日々だった

「病気じゃないからこそ辛い」という理解を広めたい


普段の生活で目にする妊婦さんは、比較的元気に見えるかもしれません。

しかし、一見元気そうに見える妊婦さんも実は不調を押して頑張っているのかもしれません。

そして、安静が必要だったり、入院している妊婦さんは日常生活で目にする機会すらありません。

とはいえ、私も自分が妊娠するまでは妊婦の辛さを積極的に知ろうとはしなかった


「妊娠は病気じゃない」という言葉を聞くことがあります。

日本では病気じゃないから甘えるなという意味で使われがちです。

逆にフランスでは、病気じゃないから不快症状があっても治療で解決できないものが多く大変だよね、という意味で使われるそうです。

マイナートラブルは妊婦にとって辛い症状で、時に日常生活にも大きな影響を及ぼしますが、それでも正常な妊娠の範疇です。

正常な状態ですら、日常生活が困難になるほどの症状を抱えているのが妊婦です。

もちろん、個人差があるので妊娠経験者でも「大げさじゃないの?」と思うことがあると思います。

しかし、妊娠している状態は体に相当な負担がかかっていることは事実ですし、非妊娠時と比べて大変脆弱な状態にあります。



このことを社会が理解しているか否かで、妊婦の辛さは少しでも軽減されるのではないかと思います。

自分の経験を伝えたり、妊婦さんに親切にしたり。
自分にできることをしていこうと思う!







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