胎児の十二指腸閉鎖で初めての入院。突きつけられた現実と希望。

妊婦のお腹に手を当てた男女の写真




スタートした初めての入院生活

妊婦の画像

妊娠29週で羊水過多の宣告。大学病院へ入院することに。


初めての入院生活は、産婦人科一般病棟の7人部屋の窓側でした。

とても古い病院だったので、患者一人に割り当てられたスペースは本当に狭く、カーテンで仕切ると日当たりが悪くなって日中でも部屋が薄暗くなりました。

でも、私が入った部屋に入院していた患者さん達は、すでに長期入院していて患者さん同士とても仲が良かったので、常にカーテンは開放していて明るい雰囲気でした。

私は、入院自体が初めてでしたし、昨日お腹の赤ちゃんの異常を告知されたばかりなので、その日はとても落ち込んでいて挨拶だけしてカーテンを閉め切っていました。

壁に寄りかかり窓の外を眺める髪の長い女性


元々ネガティブ思考の私は、入院当初、お腹の赤ちゃんのことが心配でこのまま退院まで泣きながら過ごすことになるのではと暗くなっていました。

しかし、明るく和気あいあいとした雰囲気の同室患者さんたちが気さくに話しかけてくれて入院生活のことも色々教えてくれたので、まるで修学旅行のような和やかな入院期間となりました。

もちろん、それぞれがいろんな事情で入院しているので不安は尽きないのですが、みんなで励まし合いながら過ごした入院生活は思いのほか明るい日々でした。

これは辛い妊娠生活の中でも最大の幸運だったよ!



あとで聞かされましたが、同室の妊婦さん達は私が病室に入ってきたとき、お腹が大きかったので双子を妊娠しているのだろうと思ったそうです。

私も週数がそれほど変わらない妊婦さんをみて、自分のお腹の大きさの異常に嫌でも気づかされました。

病院スタッフや妊婦を見慣れた入院患者さんには、一目で「赤ちゃん1人を妊娠しているにしてはお腹が異様に大きすぎる妊婦」と分かるほど、私のお腹は大きかったのです。

実際、このお腹が異常だと言われてからは、お腹の張りや、少し動くだけで息が切れる、皮膚が伸びて痛いなどを強く自覚するようになりました。

医師から受けた説明


入院中、何人かの先生からエコーで詳しく診察をしてもらいました。

長いときはエコーに40分程度かかりました。

一か所に異常が見つかれば、他の器官にも異常が見つかる可能性が低くないこと、染色体異常の可能性もあります。

入院当初から説明がありましたが、複数の医師で診察することで他の異常を見逃すことを防ぐために行われました。


そして、その結果について説明を受けました。

妊娠30週 医師からの説明
  • 消化器の狭窄は出生後の手術で完治が見込める
  • 顔、耳、手足、心臓、脳に異常はなさそう
  • この間にも羊水は増え続けている
  • 今後の羊水の増加次第で私の食事摂取困難、呼吸苦発現の可能性あり
  • その際はリスクはあるが羊水除去が必要になる
  • 未熟児合併症の併発を避けるため、正期産までは妊娠を継続させたい

現時点で消化管の狭窄以外に異常がなく、手術で完治が見込めるというのは本当にほっとしました。

出生後の詳しい検査で何か見つかる可能性は否定できませんが、この時点では最も私が望む結果でした。


そして、そのために必要となる条件が「正期産まで妊娠を継続させること」とはっきりしました。

胎児にとって妊娠37週までお腹の中で過ごすことは、十分外界に適応できるまで成長するためにとても重要です。

これは健康な赤ちゃんにとってももちろんですが、出生後に手術を控えていることを考慮すると早産は絶対に避けたいところでした。


しかし、この間にも羊水が増え続け、母体への負担は増していきます。

既に、食後は苦しくて動けず小分けにしか食べられない状態で、歩くのもお腹の重みで恥骨付近に痛みを感じていました。


赤ちゃんが正期産までお腹で過ごせるかどうかは、私がどこまで頑張れるかにかかっていました。

既に身体への負担はかなり感じているけど、医師からストップがかかるまでは頑張るしかない!


突然の退院!そして再入院…

ベッドで眠るピンクの服を着た女性


初めての入院から約1週間。

その間、張り止めの内服で強い張りは落ち着いていました。

お腹の赤ちゃんも、十二指腸閉鎖以外の異常は認められなかったため、退院して自宅安静ということになりました。

退院後は毎週外来通院して経過を診ること、状態によっては即入院になるという条件付きです。

自宅に戻ってもほとんど寝たきりの生活になりますが、それでも慣れた場所で過ごせるのはうれしいことです。


一方で、緊急受診の目安となる腹部の張りについて教えてもらったものの、自分で正しく判断できるか不安なこともありました。

万が一破水した場合は、救急車で来院するように言われていたので、常に不安は付きまとっていました。

もし破水したら羊水が多いので大人用おむつを履いても絶対受け止めきれないって言われたよ!


夫が仕事中は私一人になるため、平日は実家、週末は自宅でほぼ寝たきりの生活を続けていました。

母は、私のあまりに大きくなりすぎたお腹を見て「はち切れそうだ。大変だ」と心配していました。

私も、肋骨付近の皮膚がむりやり伸ばされるようで常にピリピリと苦痛でした。


そして、退院してから約1か月後の受診で「羊水が増えすぎていつ破水してもおかしくない状態」と言われました。


赤ちゃんは出生後すぐに手術を受けなければなりません。

そのためには、体重が3000gは欲しいということでした。

この時妊娠34週。

まだ3000gには遠く及びません。

今、万が一破水して赤ちゃんが生まれてしまったら、未熟児合併症のリスクとともに、手術のリスクも高まります。

医師は、一両日中に入院して羊水を除去すると言いました。


翌日、今度こそ出産まで退院できない覚悟で再入院しました。

今度は羊水除去が待ってるよ。次回へ続きます!

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