帝王切開で十二指腸閉鎖の赤ちゃんを出産。願いは他に障害がないこと。

お腹に手を当てる妊婦さんと夫の写真





妊娠29週で羊水過多を指摘され、お腹の赤ちゃんの十二指腸閉鎖が発覚。

増えすぎた羊水を除去する処置を受けながらの入院生活を経て、39週に突入。

いよい赤ちゃんの出産となります。

前回まではこちら↓

お腹に手を当てる白い服の妊婦さんの写真

赤ちゃんは十二指腸閉鎖。羊水過多で苦しい!出産まで耐える日々。

帝王切開よりも赤ちゃんの障害が心配

グレーのニットを着た後ろ向きの女性の写真


帝王切開で赤ちゃんを出産する日が決まりました。


 苦しかった妊娠生活がやっと終わる!

 やっとお腹の赤ちゃんに会える!

 どんな子だろう?かわいいだろうな。


そんなワクワクする気持ちと


 元気に産まれてきてくれるだろうか。

 出生後の検査で新たに病気が見つかったらどうしよう。

 元気に退院して家で生活できるだろうか。


という不安で、気持ちは落ち着かないままその日を迎えました。


お腹の赤ちゃんは、今までのエコーで十二指腸閉鎖以外の問題はないだろうと言われていました。

しかし、ひとつ先天的な異常があると、他にも異常が存在する可能性が低くないため、私はずっと不安で仕方ありませんでした。

十二指腸閉鎖だけなら、手術で完治し普通の生活を送ることができる。

でも、他にも病気があったら?

障害が残ったらどうしよう。

私たち家族の生活も大きく変わってしまう。


どんな障害があろうと、大事な我が子を愛して育てていこうという強い気持ちと、

ちゃんと受け入れられるだろうか…という弱い気持ちの自分がずっと闘っていました。

そして、いつも弱い気持ちの自分に対して罪悪感がありました。

みずき

どんな状態であっても受け入れるという強い覚悟が持てず、赤ちゃんに対して後ろめたい気持ちになったよ


そんな期待と不安、葛藤を抱えたまま出産当日を迎えました。

帝王切開当日におしるし。誘発へ切り替え

安産祈願のお守りの写真


帝王切開予定の早朝、おしるしがありました。

内診してもらうと、子宮口の開きが確認されました。

そこで、帝王切開が予定されている午後までに本格的な陣痛が来たら普通分娩、陣痛が来なければ予定通り帝王切開という方針になりました。

みずき

もしかして普通分娩で産める?ちょっと嬉しい!


私はもともと普通分娩にそれほど強いこだわりは持っていませんでした。

ただ、看護師時代に術後の患者さんの大変さを見ていたので、できればお腹を切りたくないなーという思いはありました。


陣痛促進剤の点滴を受け、夫とともに陣痛が来るのを待ちました。

時々、ギューッと子宮が収縮する痛みを感じながら、無事に出産できることを願っていました。

しかし、多すぎる羊水で子宮壁が伸び切っていたせいか、お昼近くになっても痛みに変化はなく、予定通り帝王切開で出産することになりました。

残念ではありましたが、ただでさえ普通じゃない状態の妊婦ですし、赤ちゃんの病気のこともあったので、ここは帝王切開での出産の方が安心とすぐに気持ちを切り替えられました。

帝王切開での出産。やっと聞けた元気な産声

赤ちゃんの手を握るお母さんの手の写真


車いすで手術室に入り看護師さんと麻酔科の先生から説明を受けたのち、手術台に横になりました。

手術中、患者は裸になるわけですが、看護師さんが不必要に肌を露出しないように病衣を脱がせ、滅菌のシートをかけてくれました。

私は元看護師ですが、手術室勤務の経験はないので

「手術室の看護師さん、すごーい、かっこいー!」

と彼らの動きを見ながら心の中で感激してました。


そして、手術台の上で横向きになり、背中を丸めた状態で腰の部分に麻酔を打たれます。

痛かったような気もするし、痛くなかったような気もしてあいまいな記憶なので、私にとっては忘れてしまう程度の痛みだったようです。

その後、お腹に氷を当てられ

「冷たくは感じないけど何かが当たってるのはわかる」

という状態でいよいよ手術が始まりました。


私は意識があるので、先生や看護師さんの動きを見ながら、不安と期待でとても緊張していました。

お腹を切っているので、やっぱり少し怖かったです。


そして、先生の「お腹押しますよー」の声の少し後、元気な産声が聞こえました。

この時、私は自分でもびっくりするくらい感極まって涙があふれてきました。

お腹の赤ちゃんに病気があると告げられてから一変した私の妊婦生活が、一気に駆け巡って胸がいっぱいになりました。


産まれた赤ちゃんは同じ手術室に待機していた小児科医によって呼吸状態などのチェックを受けました。

そこで状態が悪いと判断されれば私とは面会することなく別室に連れていかれるのですが、幸い安定していたので少しだけ会うことができました。

助産師さんが「元気ですよ」と私の顔のすぐ横に赤ちゃんを連れてきてくれました。

胎脂がついて肌がふやけてしわしわの赤ちゃん。

私は自然に手を伸ばしていました。

赤ちゃんの手に触れて自然と

「かわいい」

と声に出していました。

この時のことは鮮明に覚えているよ!


十二指腸閉鎖以外の病気や障害がないか検査

心電図と聴診器とハートの写真


私は赤ちゃんとごく短時間の面会をした後、薬でぼんやりした状態になり病室に戻りました。

赤ちゃんは待機していた夫と私の母とも面会し、そのままNICUに入院となりました。

そして、全身状態やほかに病気がないかチェックを受けます。


少し意識がはっきりしてきた私に、夫が赤ちゃんについて医師からの受けた説明の内容を話してくれました。

・検査の結果、十二指腸閉鎖以外の異常は見当たらなかった
・消化管の閉塞で、口からの栄養摂取ができないため点滴をしている
・手術は2日後を予定している

まずは、他に異常がなかったことに心から安堵しました。

そして、二日後の手術が無事に終わることを祈りました。







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